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COLUMNコラム

【コラム】有給休暇管理簿とは?管理項目と有給5日取得義務との関連を社労士が解説

「有給休暇は付与しているが、管理簿までは作成していない」「誰が何日有給消化しているかは何となく管理している」という企業は少なくありません。
しかし、有給休暇管理簿の作成・運用を含め、年次有給休暇の管理は労務管理の一環として非常に重要です。特に従業員数が増えてくると、有給休暇の付与日数や取得状況を正しく把握できず、労務トラブルにつながるケースも見受けられます。
また、働き方改革関連法の施行により、年5日の有給休暇取得義務が導入されたことで、年次有給休暇の管理の重要性はさらに高まりました。
本記事では、有給休暇管理簿の作成義務やその理由、管理簿を作成しない場合のリスクについて社労士の視点から解説します。

 

有給休暇管理簿とは?

有給休暇管理簿とは、従業員ごとの年次有給休暇の付与日数や取得状況を記録する法定帳簿です(労働基準法施行規則第24条の7)。
使用者は、年次有給休暇を与えたときは、時季、日数及び基準日を労働者ごとに明らかにした書類(年次有給休暇管理簿)を作成し、当該年次有給休暇を与えた期間中及び当該期間の満了後5年間(当分の間3年間)保存しなければなりません。

一部聞きなれない単語があるので、解説します。

•時季=有給を取得した日
•基準日=有給休暇を付与するタイミング

また、管理の対象となるのは正社員だけではありません。

•パートタイマー
•アルバイト
•契約社員
•嘱託社員
•管理監督者

など、有給休暇が付与される全ての労働者が管理簿の対象となります。

 

有給休暇管理簿を備え付ける意味とは?

有給休暇管理簿が重要視されるようになった背景には、有給休暇の年5日取得義務があります。
労働基準法では、年10日以上の有給休暇が付与される労働者に対し、使用者が毎年5日について有給を取得させなければならないと定めています。

例えば、
•正社員
•フルタイム勤務の契約社員
•一定要件を満たすパート社員

などが対象になる場合があります。

従業員が自ら5日以上取得していれば問題ありません。一方で、取得日数が不足している場合には、会社が時季指定を行い取得させる必要があります。
有給休暇管理簿は、どの従業員が5日取得義務を履行できていないかを管理するためのツールとなります。そのため、企業に作成義務が課せられているのです。

 

有給休暇管理簿を作成していないとどうなる?

有給休暇管理簿を作成していないこと自体に直接の罰則規定はありません。しかし、管理簿の未整備は様々なリスクにつながります。

 

労働基準監督署の調査で指摘される可能性がある

有給休暇管理簿は法令上作成・保存が義務付けられた帳簿です。
そのため、労働基準監督署による調査の際には確認対象となります。管理簿が作成されていない場合は是正指導を受ける可能性があります。

 

30万円以下の罰金につながる可能性がある

先述した通り、有給休暇管理簿の未整備自体に直接の罰則はありませんが、その結果として有給の年5日取得義務を履行できなかった場合には、30万円以下の罰金の対象となる可能性があります。
つまり、
「管理簿を作っていない」
↓
「取得状況を把握できない」
↓
「5日取得義務を履行できない」
という流れで罰則へ発展する可能性があります。

 

労使トラブル時に説明ができない

退職時などに、
•「まとめて有給消化をしたいので、何日分の消化ができるかを教えてほしい」
•「入社歴と比較して明らかに有給の残日数が違う」
•「会社の管理が間違っている」

といった主張が出ることがあります。

有給休暇管理簿がなければ、会社側が適切に管理していたことを証明することが難しくなり、労使間だけでトラブルを解消できない可能性も高まります。調停や斡旋の場で会社が不利にならないようにするためにも管理を徹底しましょう。

 

有給休暇管理簿を適切に運用するポイント

管理業務の軽減を図るため、基準日(付与日)を統一できないか検討する

有給休暇は、従業員ごとに付与日が異なり管理が複雑化している企業がしばしば見受けられます。
管理を行いやすくするために、法定基準を上回る前倒し付与を行い、基準日を統一する企業もあります。例えば、「年度初めに全従業員に一斉付与」「入退社が月途中であっても当月1日を基準日として付与」といった施策が挙げられます。

 

勤怠管理システムを導入する

複数の従業員の有給休暇を法定通りに管理する場合は、勤怠管理システムの導入をおすすめします。最初に入社日・入社歴を登録しておけば、有給の付与日数を自動的に算出してくれる機能が備わったシステムを導入することで管理業務を軽減できます。また、導入後は有給休暇の申請をシステム経由にすることで有給の取得状況が記録され、自動的に有給休暇管理簿が作成される機能が備わったものもあります。

給与計算ソフトでも上記と同様に有給の管理ができる場合があります。「有給休暇管理簿」という項目で帳票の出力ができない場合でも、賃金台帳の設定を変更することで有給休暇管理簿としての性格を付与することができる可能性があります。導入前にサポートや社労士と打ち合わせをして確認しましょう。

 

有給休暇管理簿に関するよくあるQ&A

Q1. 有給休暇管理簿の様式は法律で定められていますか?

いいえ、様式の指定はありません。「時季」「日数」「基準日」が労働者ごとに明らかになっていれば、労働者名簿や賃金台帳に組み込むことで運用することも可能です(下図は例)。

 

Q2. 有給休暇管理簿の保存期間はいつまでですか?

5年(当分の間は3年)です。労働者名簿や賃金台帳と同じ期間になりますので、特に退職した社員に注意しつつ、管理・保存しましょう。
Q3. 過去の正確な記録が残っていません。今からの管理では遅いですか?

まずは、現状の管理体制を見直すことが重要です。把握している範囲から作成することに意味があります。不安がある場合は、まず社労士への相談をおすすめします。

 

F&Partnersの社労士からの提案

有給休暇管理簿は単なる事務書類ではありません。
有給休暇の年5日取得義務への対応や労使トラブルの予防の観点からも重要な法定帳簿です。
F&Partnersでは、有給休暇管理簿の整備はもちろん、そこから派生する就業規則の改定・給与計算代行等、企業の管理システムをトータルでサポートします。

•「現在の管理方法で問題がないか確認したい」

•「年5日取得義務に対応できているか不安がある」

•「従業員が増えてきたので労務管理を見直したい」

このようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ無料相談をご利用ください。貴社の状況に合わせた労務管理体制づくりをご提案いたします。

 

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労務に関する様々なご相談を受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。