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COLUMNコラム

【コラム】半日有給の日に残業したら何時間 分の割増賃金が必要?有給休暇と時間外 労働の取り扱いを社労士が解説

「午前中に半日有給休暇を取得したものの、午後は忙しくて残業した」
「時間単位年休を利用した日に、定時後まで仕事をした」

このような場合、「有給休暇を取得しているのだから、定時後の勤務はすべて残業扱いになるのでは?」と疑問に思われる方もいらっしゃいます。

しかし、有給休暇を取得した時間は賃金の支払い対象にはなるものの、実際に労働した時間ではありません。そのため、残業代の計算では通常の勤務日とは異なる考え方をする必要があります。

今回は、有給休暇を取得した日に残業した場合の取り扱いについて、社労士が実務上のポイントを踏まえて解説します。

 

有給休暇を取得した時間の取り扱い

有給休暇は「実労働時間」にはあたらない

結論からいうと、有給休暇を取得した時間は実際に働いた時間ではありません。

年次有給休暇を取得した場合、その時間に対して賃金は支払われます。しかし、労働基準法上の労働時間として扱われるわけではないため、時間外労働を判断する際の実労働時間には含まれません。

そのため、有給休暇を取得した日に残業をした場合であっても、残業代は実際に働いた時間を基準に支給することになります。

 

半日有給休暇の取得日に残業した場合

定時を過ぎても直ちに時間外労働とはならない

例えば、下記のケースを考えてみましょう。

  • ・午前半休を取得
  • ・午後から出勤
  • ・定時後まで勤務

この場合、「定時を過ぎているのだから残業代が必要なのでは?」と思われるかもしれません。

しかし、時間外労働に該当するかどうかは、先述の通り実労働時間で判断します。

午前中の半日有給休暇時間は実労働時間に含まれないため、退勤時の実労働時間が法定労働時間や会社が定める基準を超えていなければ、割増賃金は発生しません。

 

週の法定労働時間枠も同様

例えば、1 日の所定労働時間を8 時間、所定労働日を月曜日から金曜日として、下記のケースを想定します。

  • ・月曜日に丸1 日有給を取得(実労働時間0 時間)
  • ・火曜から金曜日は残業なし(実労働時間8 時間×4 日=32 時間)
  • ・法定外休日の土曜日に出勤(実労働時間8 時間)

この場合、法律上は土曜日の労働に対して割増賃金を支払う必要はありません。

法定外休日における労働は通常の勤務としてカウントします。そのため、月曜日から金曜日までの実労働時間と土曜日の実労働時間の合計が法定労働時間の週枠40 時間に達するまでは割増賃金を支払う義務が生じないためです。

なお、社内規定により法定外休日に関しても割増賃金を支払うことになっている場合は、対応が異なります。

また、有給休暇と割増賃金の計算に関して、変形労働時間制等を採用している場合の取り扱いについては個別具体的に考える必要がありますので、下段の内容についてもご留意ください。

 

半日有給休暇の日に残業する場合は社内規定に注意

所定外労働と時間外労働は別物

  • ・所定外労働
  • ・時間外労働(法定時間外労働)

上記2 点を区別することが重要です。

所定外労働とは、会社が定めた所定労働時間を超える労働を指します。一方、時間外労働とは、労働基準法上の法定労働時間(原則1 日8 時間)を超える労働を指します。

会社の規定が割増賃金の発生するタイミングを所定労働時間・法定労働時間のどちらを超えた場合からとしているかで取り扱いが変わってきます。

 

所定労働時間=法定労働時間(8 時間)の場合

  • ・所定労働時間:8 時間(9:00~18:00、休憩1 時間)
  • ・午前半休取得
  • ・12:00 出社
  • ・22:00 退勤

上記の場合、半日有給休暇の時間は実労働時間に含まれません。

このケースでは12:00 から21:00 まで働いて初めて実労働時間が8 時間となるため(休憩1 時間は実労働時間に含みません)、法定時間外労働となるのは21:00 以降です。つまり、18:00 を過ぎていても21:00 までは法律上の割増賃金の支払義務はありません。

注意点として、有給休暇を取得した日でも実労働時間が6 時間を超えた場合は、途中で休憩を取らせる必要はあります。(6 時間超なら45 分以上、8 時間超なら60 分以上)

 

所定労働時間が7 時間30 分の場合

  • ・所定労働時間:7時間30分(9:00~17:30、休憩1 時間)
  • ・午前半休取得
  • ・12:00 出社
  • ・22:00 退勤

上記の場合を考えてみましょう。

この場合、会社の規程によって割増賃金の発生時点が異なります。

ケース1:所定労働時間を超えた時点から割増賃金を支給する規程の場合

→ 20:30 から割増賃金が発生します。

ケース2:法定労働時間を超えた時点から割増賃金を支給する規程の場合

→ 21:00 から割増賃金が発生します。

なお、会社の賃金規程に特段の定めがない場合は、ケース2 の取扱いで足ります。

 

時間単位年休でも考え方は同じ

時間単位の年休取得時間は実労働時間に含まれない

半日単位の有給休暇だけでなく、時間単位年休でも考え方は変わりません。

例えば、下記の場合でも取得した2 時間は実労働時間には含まれません。

  • ・2 時間の時間単位年休を取得した
  • ・その後、定時後まで勤務した

そのため、残業代が発生するかどうかは、あくまで実際に働いた時間を基準に判断することになります。

 

勤怠管理の設定も重要

半日休暇や時間単位年休を導入している企業では、勤怠システムの設定が実際の運用と一致しているか確認することも重要です。

制度と運用が一致していない場合、未払い賃金や計算ミスの原因になることがあります。

 

F&Partners の社労士からの提案

半日有給休暇や時間単位年休を取得した日の残業代計算は、勤怠管理の中でも誤解が生じやすいポイントです。

「今までの計算方法が正しいのか分からない」 「就業規則と実際の運用が合っているか不安」 「所定外労働と時間外労働の区別が曖昧になっている」

このような状態を放置すると、未払い賃金や労務トラブルにつながる可能性があります。

F&Partners では、就業規則・賃金規程の確認から勤怠運用の見直しまで、一貫してサポートしております。

自社の残業代計算や有給休暇制度の運用に不安がある方は、お気軽にお問い合わせください。

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