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【コラム】2026年最新|同一労働同一賃金ガイドライン見直しの影響と、企業の賃上げ対応策

待ったなし! 賃上げ時代における「同一労働同一賃金ガイドライン見直し(案)」のインパクト

 

日本経済は物価上昇を背景に、賃上げの機運がかつてないほど高まっています。
昨年2025年11月、労働者団体の連合は来年の春闘に向け、全体として3年連続、5%以上の賃上げを求める方針を決定しました。さらに、パート等の非正規職員に関しては7%の賃上げが目安と、初めて数値目標を示しました。

これに対し政府も「強い経済」の実現のため、賃上げを最重要課題の一つとしていますが、この「賃上げ」の流れと並行し、企業の労務管理において極めて重要な動きが見られます。それが、厚生労働省が公表した「同一労働同一賃金ガイドラインの見直し(案)」です。

 

「同一労働同一賃金ガイドラインの見直し」のねらい

 

同一労働同一賃金とは、正規雇用労働者と非正規雇用労働者(パートタイム、有期雇用労働者等)との間にある、単に雇用形態が異なるという理由によって生じている不合理な待遇差の解消を目指すものです。
今回のガイドライン見直しは、主に近年の判例を反映したうえで、これまで曖昧になっていた部分を具体的に示し、更なる明確化を図ることが目的です。
そのため企業は、賃上げの原資をどのように配分するかを検討することに加えて、賃金やその他待遇が全従業員に対して合理的かつ公平と言える、諸規定・制度を緻密に設計することがより一層求められるようになります。

 

同一労働同一賃金が争点となった判例
■ハマキョウレックス事件
トラックドライバーの有期契約社員が、同じトラックドライバーの正社員と各種手当の支給有無や金額が異なることを理由に会社を訴えた事件。
判決は、手当の趣旨に照らして合理性を個別判断し、無事故手当、作業手当、給食手当、皆勤手当、通勤手当を支給しないことは不合理である
とした。

■メトロコマース事件
販売員の有期契約社員が、同じ販売員の正社員と各種手当や褒賞金の支給有無や早出残業割増率が異なること等を理由に会社を訴えた事件。
判決は、同じ業務に従事する正社員と有期契約社員を比較したうえで合理性を個別判断し、住宅手当と永年勤続褒賞金を支給しないこと、
早出残業割増率が異なることは不合理であるとした。

 

 

同一労働同一賃金が示す「不合理な待遇差」とは

待遇差の合理性を判断する際は、①職務内容(業務内容と、それに伴う責任の程度)②配置変更の範囲③その他の個別事情 の観点が用いられます。
以下にガイドライン上で例示されている不合理な待遇差を紹介します。
(1)基本給
労働者の勤続年数に応じて支給しているA社において、期間の定めのある労働契約を更新している有期雇用労働者であるXに対し、当初の労働契約の開始時から通算して勤続年数を評価せず、その時点の労働契約の労働契約の期間のみにより勤続年数を評価した上で支給している
(2)役職手当
役職の内容に対して支給しているA社において、通常の労働者であるXの役職と同一の役職名であって同一の内容の役職に就く有期雇用労働者であるYに、Xと比べ役職手当を低く支給している。
(3)賞与
会社の業績等への労働者の貢献に応じて支給しているA社において、正社員であるXと同一の会社の業績等への貢献がある有期雇用労働者であるYに対し、Xと同一の賞与を支給していない。
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/001246985.pdf

また重要なのが、同一労働同一賃金は賃金に限ったものではないという点です。例えば、会社設備の利用や福利厚生、教育訓練等といったあらゆる待遇についても、雇用形態が異なる労働者間に不合理な待遇差を設けることを禁止しています。

 

 

F&Partnersの社会保険労務士からの提案

賃上げムードの中、場当たり的な昇給を行うと、同一労働同一賃金の考えに反してしまうことが懸念されますし、ひいては正規・非正規間の不公平感は解消されずにかえって従業員エンゲージメントの低下を招きかねません。
労働市場の流動化が進むにつれ、多くの企業で優秀な人材を確保し生産性を向上させることが根深い課題となる中、「待遇の合理性、公平性」を保てなければ、単に法令に則っていないというだけでなく、必要とする人材を確保し企業が成長し続けることを阻害され、経営の根幹を揺るがしかねません。
このリスクを未然に防止し、かつ企業活動を活性化させるために企業が取るべき対応は、社内規程を点検し、問題点を洗い出すことです。
当事務所では、貴社の社内規程・制度が、同一労働同一賃金の観点から問題点がないか、また頻繁に行われる法改正に適合しているかを診断し、貴社にとって最適な規程設計をサポートいたします。
この機会に、プロの視点を取り入れた戦略的な労務管理を推進しましょう。
お困りごとがございましたら、ぜひ一度お問い合わせください。

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