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【コラム】就業規則はいつ見直す?改定が必要になるタイミングを社労士が解説
就業規則は会社の憲法やルールブックとも言われる、企業秩序の維持と労使トラブルの予防に欠かせないものです。しかし、一度作ったまま見直していない就業規則は、法令違反や思わぬ紛争を招く原因になります。
本記事では、就業規則の変更・改定が必要になる具体的なタイミングを社労士が解説します。
就業規則の改定が必要なタイミング① 労働関係法令が改正されたとき
労働関係法令が改正されたときは、最優先で就業規則の見直しが必要です。
育児介護休業法をはじめとした、企業を取り巻く法律は毎年のように改正が施され、その内容は年々複雑さを増しているのが実情です。そして、就業規則はそれらの法律を前提として作成される社内規程であるため、改正に対応しないまま放置すると、知らないうちに労使トラブルを招くリスクがあります。
例えば、2025年の育児・介護休業法の改正では、法律上に企業が取るべき措置を複数列挙したうえで、会社に選択させる項目がありました。就業規則にどの措置を採用しているかを明記していなければ、会社はどのような対応を取るのかをスタッフに示すことができませんし、トラブルを招くことになります。
したがって、法改正に関するニュースには常に気を配る必要があり、法改正の情報をキャッチしたときこそ、最優先で就業規則の見直しを検討すべきタイミングとなります。本年度も重要な法改正が複数予定されていますので、他のコラムもご参考に下さい。
【コラム】【2026年10月施行】カスハラ対策義務化で企業が講ずべき措置とは?就業規則への反映ポイントを解説
就業規則の改定が必要なタイミング② 労働条件や働き方が変わったとき
労働条件や働き方を変更する場合、原則は事前に就業規則を見直す必要があります。
テレワークの導入・裁量労働制の採用など、それまでとは異なる働き方を取り入れる場合、既存の就業規則では対応できません。労働の実態と規則にズレが生じていると、重大な労使間トラブルを招くことにもなります。とりわけ、欠勤控除の計算や時間外労働の算出方法などは未払い賃金を発生させる恐れがありますので、注意が必要です。
以下のような変更を加える場合、就業規則の改定が必要です。
・テレワーク・在宅勤務の導入(通信費の負担や労働時間管理のルール化等)
・定年延長や継続雇用制度の変更(高年齢者雇用安定法への対応等)
・副業・兼業の許可制導入(秘密保持や過重労働防止の規定等)
変更点を明文化せずに運用することは、企業にとってリスクを抱えることになります。新しい制度を導入する前に、必ず規則を整備しましょう。
就業規則の改定が必要なタイミング③ 助成金申請や労務トラブルが生じたとき
労務トラブルの対応に関しては、就業規則に基づいて執り行うことが求められますので、実務対応に即さない規定は適宜見直さなければなりません。また、トラブルを未然に防止するために個々の事案から規定を見直して、改定・新設しアップデートすることも重要です。会社規模や業種の特性上、今後も同様の問題が起こることが予想される事案には、抽象的な規定のままで放置するのではなく、具体的な規定を設けることを推奨します(現にトラブルが発生している状態で労働者に不利益となる改定は無効と判断される可能性があるため注意が必要です)。
また、助成金を活用したい、または労務トラブルの再発を防ぎたいと考えたときも、就業規則の見直しが必要なタイミングです。例えば、キャリアアップ助成金を申請する場合、就業規則の内容が重要視されます。整備されていない規則のままでは、申請を通すことは困難であるケースがほとんどです。
よくあるQ&A
Q1. 1つの事業場には1つの就業規則しか定めてはいけませんか?
複数の就業規則を定めることは差し支えなく、例えば正社員と契約社員、アルバイトそれぞれに別規程を設けることが可能です。
Q2. 就業規則は何年ごとに見直す義務がありますか?
年数による法定の見直し義務はありません。ただし、法改正や規定と実態に乖離がある場合等は、適宜見直しが必要です。
Q3. 就業規則を変更する際、必ず社員の同意は必要ですか?
原則として同意は不要ですが、意見聴取は必要です。労働者の過半数代表から意見を聴き、意見書を添付して労基署へ届出します。ただし、不利益変更の場合は厳重に検証を行い、進める必要があります。
F&Partnersの社労士からの提案
就業規則の見直しが必要なタイミングは多岐にわたり、その都度、経営者や人事担当者が独力で対応するのは大きな負担です。
・自社の就業規則が今の法律に合っているか診断してほしい。
・働き方改革に合わせた柔軟なルール作りをしたい。
・労使トラブルの再発防止にアドバイスが欲しい。
当事務所では、貴社の現状を客観的に評価・診断し、実務に即した具体的な規定の策定、労働基準監督署への届出まで一貫してサポートしております。 就業規則は一度作って終わりではなく、社会情勢や法令の変化に合わせてアップデートし続けることで、初めて会社を守る盾となります。ぜひF&Partnersの社労士へご相談ください。
